※静寂へ還る日※〜⭐︎
2026.06.02
※静寂へ還る日※
朝は静かに始まったはずなのに、
見えない風が、
次々と出来事を運んできた。
予定は形を変え、
約束は流れを変え、
思い描いた道筋は
くるり、くるりと姿を変える。
まるで空そのものが
新しい配置へと組み替えられているかのように。
遠くから聞こえる
ピーポー、ピーポーという音。
誰かの人生の一頁が動き、
誰かの大切な時間が流れ、
その波紋は
街全体へと広がっていく。
そして、
いつもそこにあるはずの
ゴミ集積所さえも、
「変化の時ですよ」
と語りかけるように、
新たな対応を求めてきた。
空を見上げれば、
遥か南の海では
台風がゆっくりと近づき、
テレビも人々も、
その風の行方を見つめている。
大地も、
空も、
街も、
人々も、
何か大きな調律の中にあるようだった。
けれど不思議なことに、
外側は慌ただしくとも、
わたしの心の奥には
静かな泉があった。
波立つことなく、
濁ることなく、
ただ静かに
そこに在り続ける泉。
そして夕暮れ。
あれほど騒がしかった世界は、
役目を終えた楽団のように
少しずつ音を収めていった。
風はやわらぎ、
空気は澄み、
世界は再び
静寂の衣をまとい始める。
ああ、
今日の慌ただしさは、
混乱ではなかったのだ。
それは、
新しい調和へ向かうための
最後の調整。
嵐の前に吹く風のように、
大地を洗う雨のように、
すべては、
より美しい静けさへ還るための
宇宙の呼吸だった。
そして今、
わたしは知る。
静寂とは、
何も起こらないことではなく、
どんな変化の中にあっても、


