『星に還る夜』〜⭐︎
2025.07.04
静かに目を閉じれば
夜空がわたしを呼んでいた
ひとつ またひとつ
星が息づき 名もなき光が揺れている
それぞれの星は それぞれの命
まるでわたしたちのように
輝きを放ちながら
やがて ひとつの源へと吸い寄せられてゆく
星とわたしが溶けあい
境界は消え
ただ 光だけが在る
その前に 大葉味噌を練っていた指先の記憶
小さな葉が 香りを放ち
やがて ひとつの味に融合していったように
すべてがひとつになるプロセスは
宇宙も台所も 変わらない
それは祈りであり
祝福であり
わたしという存在の証
音が 風が 鼓動が
そっと導いてくれた
わたしたちは 一度も離れたことなどなく
ずっと光の中で 共に在ったのだと
今夜 星は語る
還るべき場所は 外にはない
それは この胸の奥にある
ひとつの静けさ
ありがとう
この旅を思い出させてくれて
ありがとう
いま ここでまた出会えたことに