『雲の向こうの満月』〜⭐︎
2025.07.12
昨夜の空は
雲に覆われていた
けれど わたしの胸の奥には
ひとつの月が まんまるに輝いていた
見えなくても そこに在る
雲の向こうで
静かに 強く
光を放っている
集った仲間たちと
蝶の羽音を分かち合い
小さな囁きのようなメッセージを
胸にそっと宿して
ひとりでは届かぬ祈りも
ひとつの輪になれば
満月のように 大きく 満ちていく
わたしは言葉を紡いで
瞑想の道を照らした
ピンチヒッターのようでいて
本当はずっと前から
その時を待っていたのかもしれない
見えない月が
見えていた
心の眼で はっきりと
雲に覆われても
わたしたちは
いつも 満ちている
蝶が運ぶのは
新しい光の種
それは胸の奥の
満月の泉に落ちて
そっと咲く
ありがとう 曇り空
ありがとう 雲の向こうの月
わたしは今日も
心の空を見上げて
満月とともに 光を抱く